私の父親は、大正元年生まれの気骨のある職人気質の男です。
高等小学校を卒業後、能美島で大工の修業をして、
その後、建築請負業をしていて、私が四才の時に、一家で、広島に出て建設会社を設立しました。
仕事が趣味のような男で、私は長男ということもあってか、
小学校の四年生くらいから家業の手伝いをさせられていました。
私は、今五十三才ですから、小学校の頃の経験?もいれますと、建設業に携わってから四十年あまりになります。
大学の建築科を卒業後、中堅ゼネコンの大阪支店で六年あまり現場監督の勤務をしたのち、広島に帰って親父の会社に入りました。
ちょうど、第二次石油ショックの頃で思うように仕事量がなくて、
現場経験しかない私が、女房と一緒に近隣を手作りのチラシを持って、一軒一軒ポスティングしたことを、今ではなつかしく思い出されます。
当時は、家のチャイムを鳴らすのが嫌でたまりませんでした。
昭和三十年代までは、住宅だけではなく、賃貸アパートでさえ竹小舞に土壁で仕上げていました。
あの頃出始めたプレハブの住宅は、本当に粗末なもので、とても貧相でした。
在来構法の住宅においては、新建材はまだあまり出まわっていなくて、無垢材の床板を張っていたように思います。
今、シックハウスが問題になっていますが、昭和四十年代くらいから新建材や塩化ビニール製品が住宅に多く使われるようになり、
それが原因で、近年そういう問題が起こってきました。
高度成長期に比べて今や新築着工戸数も激減して大手リフォーム会社がスポンサーで、
リフォームの番組がゴールデンタイムで流されるようになってから、ますますリフォームブームとなっているようです。
住宅の新築分野に、異業種から資本力にモノを言わせてたくさんの大手が参入してきたように、
今リフォーム業界にも大手プレハブメーカーや、異業種の大資本会社が進出しています。
また、建築には全くの素人が、営業力にモノを言わせて、竹の子のように小さい会社も次々に出来ています。
これだけ営業が乱立して、また、発信される情報が氾濫してくると消費者の皆さんには、
良いリフォーム業者を選ぶのが非常に困難になってきます。
運良く良い業者にリフォームをしてもらえればよいですが、
運悪く悪質な業者に当たりますと、工事費は高いわ、施工は悪いわ、のダブルパンチにおそわれ、
リフォームしない方が良かったという最悪の結果になりかねません。
私の会社の近隣の地域にも、最近悪質な訪問販売の会社の被害が増えています。
悪質業者にひっかかる方が一人でも二人でも減ればという思いでこの小冊子を書いております。
増改築を伴う大規模なリフォームは、新築以上に慎重な計画が必要です。
大規模なリフォームを行なって十年もたたないうちに、結局は建替えをしたというケースも決して少なくありません。
いろんな面から長期的な視野に立ったリフォーム計画が必要なのです。
次の章では、具体的なアドバイスをいくつか提案します。続けてお読みください。
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